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熊の助は後ろの座席の上に置いた。
老人たちは金属音にびっくり、祖父は大声で。
「今すぐに止めろ。」
「本当に80歳越えた高齢者なのかや。」
「壊してしまうといいんだ。」
老人の一人がそう言って三人で車の床の上で踏んづけ音は止まった。
「やっと壊れた表に捨てろや。」
「あはは、熊の助そんなわけにいかねえ。
でもな俺が死んだらゴンタとウメコの面倒は見てやれ。」
この時、熊の助はなんて言うじじいたちだ、と考えた。
その日の夜から朝にかけ祖父は息を引き取る。
熊の助は夜間作業の終了後にそのことを知る。
家に着くと。
「ゴンタとウメコおめらきょうから俺の僕だ。」
子供たちは。
「ゴンタとウメコもひいじいちゃんに別れの挨拶したんだよ。
熊なんて嫌だって。」
「俺も別れの挨拶するよ。」
「このばか、もう葬儀会館さ運んだ。ゴンタとウメコの面倒はかれから孫たちが見る。
誰がオメエさ任す。」
熊の助は祖父には別れの挨拶は出来なかった。
それから数年後、子供たちは小学生から中学生や高校生に進学していた。
やはり熊の助は夜間作業していた。
仕事が終わり、現場監督は熊の助に。
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