頭ノナイ

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 自分たちの目の前にあったのは古い椅子に腰かけ少し優雅に足を組んでこちらを大きな目でギョロリと見ている、いや彼女の頭は既になかった。 「…お、おい…」 彼女の頭のない死体がそこにあった。 「ぅ……、ぁ、う、うわぁあああぁぁぁあぁぁぁあ!!!!!!」 雷雨と共に悲鳴が木霊する。そしてドタバタと響く複数の足音。 「お、おい! 大丈夫か! サトウ!」とリンタロウがアオイとミヤビを連れてこの部屋にやってきた。そして直にこの部屋がどんな状況か理解をしたアオイの顔は段々歪みはじめる。 「え、ユ、ユミ、な、なんで、頭ないの、なんで、え、何で………」 「おい、サトウ。この部屋は密室だったか」とミヤビは一つも動揺する事もなく淡々と僕に話し掛ける。 「……密室? あ、うん…、鍵が掛かっていた」 「…鍵? この洋館に鍵なんて一つもついてないぞ」 「え、そ、そうなのか…? んじゃ何で……」 「アンタらは何でそんなに、人が死んでるのに、人が…人が……何で何でよ…!!」 「私情を持ちこんじゃうと正直言ってこれ短編だから感情を入れる時間もないんだよね。密室殺人だし」 「そうだぜ、アオイ」 「リ、リンタロウまで…」
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