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「亜紀子さん。こんばんは。学君の風邪治りましたか?早く良くなるといいですね(*^_^*)今度、お見舞いに行きますね。」
「亜紀子さん。おはよう。学君、牛乳飲めるようになりましたか?
カルシウム不足で背が伸びなくなるんじゃないかって、いつも亜紀子さん悩んでいたから。僕、色々牛乳を使用したレシピ考えたんです。今度、作りに行ってもいいですか?」
彼は、息子を気遣うようなメールをしつつも、さりげなく・・・いや結構強引に家に来るようになった。気がつけば私の家でいつの間にか料理を作るようになった位だ。
息子は、最初は不思議そうな顔をして彼を見ていたが、彼の作る料理は本当に美味しかった。
まさに、胃袋は心を掴むとはこの事だと思った。
息子は、彼の料理を本当に嬉しそうに食べた。
それでも、私達が二人で仲良く話しているときは、ドアの隙間から、じっと何も言わずに眺めている子だった。
このような事が、過去にもあったような気がした。
あれは、いつの事だっただろうか・・。
あっ。思い出した。
昔、暴力癖のあった元カレと復縁していた頃。私は文鳥を飼っていた。
いつも、文鳥は私達をじっと眺めていた。何も鳴かずに。
私は、いつもそんな息子の顔を見たあとはそっと頭を撫でた。
さみしそうな顔をしたときは、そっと抱きしめた。
彼には、正直どんどん惹かれている。
でも、私より10個も年下。
しかも出会いは、職場の窓口。窓口で裏にアドレス書いてある名刺貰うなんて、だいたいナンパな男が誘う手口だし。昔は、コレで一体何回コンパに誘われたことかしら・・。
おまけに、私は未婚の母。
こんなに、若くて色が白くて料理も上手くてハンサムな男性が。本気で私なんか相手にしてくれると思う?
私は、彼の事を考えれば考えるほど悩んだ。
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