10人が本棚に入れています
本棚に追加
やがて、ヨシヒコは此処を離れて。
ヨシヒコの会社の近くで暮らしたいと言ったんだ。
マンションを買って、一緒に暮らそうって言い出したんだ。
亜紀子は、凄く悩んでた。
その後、昔仲良かったという男友達に相談してたんだ。
でも、結局その男友達も。実際ヨシヒコのことを話したわけでも見たわけでもない。
当たり障りのない「いいと思うよ!」という台詞で亜紀子の背中を押したんだ。
そりゃそうだ。君だって背中を押されたいから。
わざわざ反対しそうな女に相談しないで、ほとんど連絡してない既婚者の男に相談したんだ。
新婚で幸せ真っ盛りの男からしたら、昔口説いた女の恋愛相談なんて。正直、どうでもいいだろう。なんで、毎日君のことを見てる僕に何も言わないんだよ!
それに、僕は見つけてしまったんだ。亜紀子が、家のパソコン放置していて。フェイスブックが開きっ放しだったから。少しだけ、ネットサーフィンしたんだ。君にバレないようにね。
そしたら、あの男が他の女と一緒に写っていた写真を発見したんだ。
君とは繋がってなかったけど、君の女友達の「はじき」という子の繋がりにいたよ。この男。しかも、ヨシヒコなんて名前なんかじゃなかったんだ。
フェイスブックでは、山田大樹という名前で登録されていた。ヨシヒコは偽名で、年齢も偽っていたのか。全然見えなかったけど、本当は30越えてるのか・・。どうも彼女とエステサロンを共同で運営しているみたいだった。
調べれば、調べるほど。彼には色んな名前があった。
山口良太、外内翔平、吉川吉彦・・
様々な名前を使って色んなセミナーを開いている人間だった。
マンションのことも調べた。
投資マンションの営業もやっている・・これか。
亜紀子、これはやばい。
これは!婚活につけこんだ、投資マンション詐欺だよ!
ネットサーフィンで色々調べたんだ。最近、婚活を利用したマンション詐欺が増えてるってね。生活感を匂わせておいて、マンション契約したらトンズラするというものらしい。
亜紀子を、もう泣かせるわけにはいかない!
僕が、彼女を守る。
何がなんでも!
僕は、亜紀子のフェイスブックから、はじきという女にメールした。
この女なら、何か知っているかもしれないって。
直感で、思ったんだ。
最初のコメントを投稿しよう!