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【亜紀子の話】
いつもの様に、彼と土曜日デートの後。
スーパーで食料品を一緒に買って、息子の待つ家に戻る。
彼は、あらゆる国籍の料理が得意だった。
しかも、そのどれもがプロ級に上手だった。
一体この若さで、男性なのに何故そんなに色々作れるの?
と、聞いたら。
若い頃から一人暮らししていましたからね。
と、言っていた。
「今度、もっとお肉が上手に煮る事が出来る鍋があるんだ。今度、持ってくるね。
二人でこれから生活していくから、鍋とか色々必要になるね。
僕、いいの知ってますから沢山今度紹介しますね。」
と、言ってくれた。
私より10歳も若いのに、しっかりしてる彼。
私はモノを自分で選ぶのが苦手だったけど、彼は迷いなく選んでくれる。
ただ、いつも選ぶ買い物が桁違いに高かったりしたけど。彼は話を聞けばお坊ちゃん育ちみたいだから、しょうがないのかな。
金銭感覚の違いに最初は戸惑ったけど、
やがて少しずつ話し合えば・・きっと、少しずつ埋まっていくんじゃないかって。私は、そう思う事に決めた。
彼となら、上手くやっていけそうな気がした。
私はそう信じていた。
この時までは。
しかし、家に帰ると。
何故か息子と一緒に、はじきちゃんがいた。
はじきちゃんは、私をいつもコンパがあると呼んでくれる友達。ただ、最近は殆ど会っていなかった。
なぜ?私は呼んでないのに・・。
何故ここにはじきちゃんいるのかしら?
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