第三章

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【亜紀子の話】 いつもの様に、彼と土曜日デートの後。 スーパーで食料品を一緒に買って、息子の待つ家に戻る。 彼は、あらゆる国籍の料理が得意だった。 しかも、そのどれもがプロ級に上手だった。 一体この若さで、男性なのに何故そんなに色々作れるの? と、聞いたら。 若い頃から一人暮らししていましたからね。 と、言っていた。 「今度、もっとお肉が上手に煮る事が出来る鍋があるんだ。今度、持ってくるね。 二人でこれから生活していくから、鍋とか色々必要になるね。 僕、いいの知ってますから沢山今度紹介しますね。」 と、言ってくれた。 私より10歳も若いのに、しっかりしてる彼。 私はモノを自分で選ぶのが苦手だったけど、彼は迷いなく選んでくれる。 ただ、いつも選ぶ買い物が桁違いに高かったりしたけど。彼は話を聞けばお坊ちゃん育ちみたいだから、しょうがないのかな。 金銭感覚の違いに最初は戸惑ったけど、 やがて少しずつ話し合えば・・きっと、少しずつ埋まっていくんじゃないかって。私は、そう思う事に決めた。 彼となら、上手くやっていけそうな気がした。 私はそう信じていた。 この時までは。 しかし、家に帰ると。 何故か息子と一緒に、はじきちゃんがいた。 はじきちゃんは、私をいつもコンパがあると呼んでくれる友達。ただ、最近は殆ど会っていなかった。 なぜ?私は呼んでないのに・・。 何故ここにはじきちゃんいるのかしら?
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