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私たちの空気とは裏腹に、向こうでは告白タイムと騒いでいる。
「…あの、平尾くんも行ってきたら?」
動こうとはしない平尾に私は言う。
「俺、もう帰るからさ」
「え…どうして…」
「本当は俺今日用事あんのに、無理矢理顔見せろってうるさかったから
なのに、みんな俺に気づきもしない」
顔は笑ってるけど、どことなく寂しそう。
…そうだよね、
あの人気者、平尾が今一人でこんなところに…
「今は一人じゃねぇよ?黒崎がいるし」
……え。
と二人で後方で喋っていると、一人が後ろを振り返った。
「あれ!!平尾じゃね?!」
すぐに平尾が注目の的になる。
「平尾くんー!」
「千洋、おせーよ!」
カッコ良くなってない?!
え、本当に平尾くん?!
などと、色んな声が上がった。
私はボソッと良かったねと平尾に呟いて、帰る道を行こうとした。
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