第1章

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もちろん、私の中では、行かない。の一言だけしか浮かんでこない。 このメールだって、来たこと自体が不思議なくらいなんだけど 「…行きづらいし…」 高校の思い出と言ったら苦い思い出しか出てこないっていうのに 「ちょっと美々!いい加減、手伝って!」 母親の叱咤に、私は重い腰を上げた。 ずっと、一人だった 高校の頃は、友達に恵まれなくて、ほとんど上辺の付き合いで、必要以上に、私は居られなかった。 でも、大学生活は、それとは逆に、楽しかった。 たくさん、笑えた四年間で、私にとっては大切だ。 なのに、卒業した今、みなやはり忙しいせいで、誰一人会えていない。しょうがないとは思っても、少し寂しいもの。 やはり、私は一人なのかと思うと、込み上げるものがある 「……」 絶対に泣かないけれど。   
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