第1章

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「黒崎さん、今日も、いいっすか!」 「うわ、出たよ!千洋の最低な行為!」 …あいにく、隣同士の席になってしまった高2の秋。 平尾にノートをせびられるようになって、これで1週間が経つ。 「……」 チラリと彼を見ると、私に向かって、拝むように両手を合わせている。 「お前ら、知らねーだろ! 黒崎さん、英語得意なんだぞ!しかも、ノートめっちゃ綺麗なんだぞ!」 …ほ、褒められた… 「黒崎が?!嘘つくなよー」 「ふん!お前らは、知らなくて良いんだよ! …ごめん、マジで貸してください」 こんな地味な私に、気軽に話しかけてくれるなんて、嬉しいことと思う。  
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