僕と少女と駄菓子屋

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出会ったのは数分前なのに、何だか本当の兄妹みたいにろくでもない会話をしている。よくよく考えると、それが信じられなかった。つくづく不思議な力を持った子だ。 「さてと……ほいじゃそろそろ行くかの」 「え、もう行くの!?」 「殺人鬼は、忙しいんじゃよ」 もしかして……これから"殺人"をしに行くのだろうか。それを考えた途端、額に汗が滲んできた。間違いなく興奮している。躍動してはいけないはずの感情が、僕の中を渦巻いている。 「付いてくるか?わしの仕事場に」 うなずこうとして、止めた。このまま素直に付いていったら、自分が壊れてしまう気がする。頭に浮かんだ絵の中で、誰かが叫んでいる。 透明で冷たい川の水を両手ですくって、顔面に擦り付けた。上がっていた熱気球が萎んでいく。 「ハア……ハア…………」 呼吸が荒い。アリシアがそっと僕の額に手を当てた。 「そうじゃな、アンタにはちと刺激が強すぎるかもしれん。…………ここで待っておれ」 立ち上がったアリシアは、何だかとても大きく見えた。一人で行こうとする彼女の腕を、ぐっと掴んだ。 「……離してくれんかの」 「絶対帰ってくるんだよな?」 思わず握った手が強くなる。このもやもやとした感情は何だろう。寂しいとか悲しいとか心配だとか、負の感情が全部一つに混ざった──そう、例えるなら黒だ。 「必ず」
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