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『あーあーマイクのテスト中。
聞こえてるー?聞こえてるよねー?』
「「「「「!?」」」」」
モニターに写るエンブレムは消えないまま、突然音声が流れてきた。
いきなりの声に驚き、動揺する俺様達。
いつも文面でしか会話しない鴉の声を聞くなど初めてだ。
『ちょっとちょっと~
聞こえてるんでしょ-?それなら返事とかしてくれてもいいんじゃないのー?
…画面戻さないよ?』
「き、聞こえてる!聞こえてるぞ!!」
俺様は画面を戻さないという言葉に慌てて反応する。
くそ…っ、鴉のやつ弱味を握りやがって…!
『はいはいー、よくできました-☆
それじゃあ本題に入りまーす。
実はさ、言いたいことがあるんだよね!
…お前らさ、いい加減にしないとマジで殺しちゃうよ?』
「「「「「はぁっ!?」」」」」
1年ぶりに現れたと思ったらいきなりの殺人予告。
無茶苦茶だ…無茶苦茶すぎる。
鴉は何がしたいんだ…?
『あ、今冗談だと思ってるでしょー?
でも残念☆全て真実でしたー
だってお前らムカツクんだもーん。
それに…「ちょっと待ってください!」…なに?』
ふざけた調子でしゃべり続ける鴉に、薫が制止の言葉をかけた。
「状況についていけません。
色々いきなりすぎて何がなんだか…
まず鴉…貴方はなぜ突然現れたのですか?
殺人予告がしたかったわけではないでしょう?
そして何について怒っているのですか?
そこから教えてほしいです」
どこからここを見ているか分からない鴉に対し、薫は真っ直ぐと前を見て言う。
『………。
うんうん、それ気になるよねー
今まで徹底的に正体を隠してきた上に、1年間行方知れずだったやつが、ここの生徒だとばらして何ノコノコ出てきてんだって感じだよねー』
若干の間はあったが、どうやら鴉は答えてくれるらしい。
しかも正体をばらしている自覚もあったようだ。
まぁそんなことにも気付かないバカだったら情報屋なんてできないだろうしな。
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