1.チャラ男会計

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──その夜─… 『もしもし?』 「姉ちゃん?オレなんだけどさ。」 『オレオレ詐欺は受け付けないわよ』 「いや、違うから! オレだよ、遊!」 『あら、遊ちゃん久しぶり~ どうしたの?』 「いや、大した用じゃないんだけどさ、一応報告しとこうと思って」 『まさか…彼氏ができたとか…!?』 「ちげーよ!オレはノンケだっつーの!!」 『じゃあなによ~?はやく言って』 「何か…明日転校生がくるらしい…よ?」 『転校生っ!?本当にっ!!? 王道展開ktkr!!』 「ね、姉ちゃん?急に叫びだしてどうしたんだよ…?」 『ごほん… 遊ちゃん、貴方はこれから常に写メを撮れるようにしなさい。 録画も必要になると思うわ。 そしてその転校生を見張り続けなさい。いいわね?』 「は?え?どういうことだよ?」 『これから貴方は私の情報源になるということよ。 その転校生が抱き締められたり、キスされたり、とにかく萌えを感じる場面に遭遇したら迷わず撮りなさい。これは命令よ。』 「命令って… しかも萌えってなんだよ?」 『それは直に貴方も分かるようになるわ。それよりも遊ちゃん、貴方には最低限の王道の行動パターンを知ってもらわなくてはいけないわ。 でもここで一から話してる時間はないの。そこで、貴方が持っていった漫画の中にある本を紛れさせておいたわ。それを全て頭に叩き込みなさい。』 「ちょ、何勝手なことしてんだよ… えっと…?これか…? "ベーコンレタスの極意"って… オレ料理人になりたいわけじゃないんだけど…」 『そう、それよ。 明日までに覚えなさい、いいわね? あと、明日は早起きして門で待つこと。そして、転校生と副会長の絡みを全て録画しなさい。』 「明日までなんて無理だろ… ってか、何で副会長が迎えに行くこと知ってんだよ!?」 『それもその本を見ればすぐに分かるわ。常識だもの。 それじゃ、遊ちゃん期待してるからね。』 「え、ちょ、姉ちゃん?!」 ……切りやがった… 時間を確認する。 って、もう3時じゃん! やべぇ!急いで覚えねーと!! パラパラとページを開き、太字になっているところを確認していく。 こうして夜が明け、 朝になったのであった…
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