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朝6時。
オレは例の本に書いてあった通り、望遠鏡とカメラ(録画機能付き)を持って門へと向かった。
そこで少し高めの木に登り、辺りを見渡す。
さすがにちょっと早すぎたか…
だが授業開始は8時半だし、理事長のとことか寮とか行かなければならないから、7時には来るだろ。
そう思って一息ついたとき、下から物音がした。
気になって見てみると、何やら動く物体が…
……あれ、人だよな…?
茂みに隠れてモゾモゾとしているが、さっき足らしきものが見えたし。
そのまま放っておくのもあれなので、話し掛けてみることにした。
「おーい、そこで何やってんの?」
すると一瞬茂みが大きく揺れたあとピタッと動かなくなった。
…まさかあれ…バレてないと思ってんのかな……
「茂みにいるやつ出てこいよ。
正直バレバレだから。」
さすがにこれで観念したのか、茂みの中から人が出てきた。
…いや、人じゃなかったらオレ恥ずかしいから…
そいつはオレに気付くと同じ木を登ってきた。
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