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受験も終わり、第一志望校に余裕で合格したオレは春休みを満喫していた。
─そんなある日─…
突然姉が家に帰ってきた。
満面の(悪魔の)笑みを浮かべて……
「遊(ゆう)ちゃん!合格おめでとー!!」
バンッと勢いよく玄関の扉を開けたかと思うと、オレに向かって突撃してきた。
「姉ちゃん!?どうしたんだよ?!
ってか、オレが高校に合格したの1ヶ月半くらい前だけど!?」
そう。
オレは一応推薦で合格してるから、二月の終わりごろには結果は出ていた。
しかも明日はもう入学式だ。
ほんとに今さらなのだが…
「ふふふ♪違うわよぉ♪
私がおめでとーって言ったのは、遊ちゃんが推薦で合格したとこのことじゃなくてー……
………旭ヶ丘学園に合格したことよ!!」
「旭ヶ丘学園っ!?」
旭ヶ丘学園はこの辺ではダントツで頭がいいとこで、金持ちのお坊ちゃん共が通う全寮制男子校だ。
幼稚園から高校までエスカレーター式で、山奥に建っている。
「え、姉ちゃんどういうことだよ?!
オレは明日から近所の西北高校に通う予定なんだけど…「あ、そこならもう断っておいたわよ?」はぁあ!!?」
「だってあそこ面白くないんだもーん」
姉ちゃん…
いつものことだが何て勝手な…!!
「と・も・か・く!
遊ちゃんは明日から旭ヶ丘学園に通うこと!分かった?」
…いやいやいやいやお姉様、
分かった?ってそんな可愛らしい笑顔で言われても納得できないからね!?
「ま、待てよ!無理だって!!
第一、オレ旭ヶ丘学園の試験なんて受けてねぇし…」
「それなら心配ないわよ♪
ほら、前に家庭教師のバイトやるのに採用試験やらせたでしょ?
…アレ、本当は旭ヶ丘学園の入学試験だったのよね~」
「はぁぁぁああああ!!!?」
まさかそんなところに姉ちゃんの罠が仕掛けられていたなんて誰が思うだろうか…
こうしてオレは…
晴れて旭ヶ丘学園に通うことになったのであった……
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