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──ザクッ
オレのハサミが壁に刺さった。
「くーちゃん避けないでよぉ~
オレの気持ちを受け止めて☆」
「愛情があるならいくらでも受け止めます!
だからそのハサミを置いてください!」
「えぇ~却下ぁ~」
なかなか動きが速いな腹黒。
もっときっちり固定するべきだったかな…
何度かハサミで攻撃しているのだが、腹黒は全てを避けている。
それでもオレはひたすら攻撃を止めない。
「くーちゃんは今の、ありのままのオレを受け止めてはくれないのぉ~?」
「そういうわけではありません!
ただ、今の遊は理事長と言う名の悪魔にとりつかれているのですよ!」
あはは、マジで?
なかなか面白い冗談を言うようになったね、腹黒も。
「理事長は~悪魔だったのぉ~?」
攻撃し続けたまま、理事長に聞いてみる。
「違う違う。
悪魔はむしろ薫君の方だよ。
さあ遊!化けの皮を剥いであげるんだ」
「ラジャー☆」
理事長はすごく楽しそうにこっちを見ている。
そしてオレもさぞ楽しそうにハサミを降り下ろしていることだろう。
腹黒の顔は真っ青なんだけどね。
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