4.生徒会取調室

25/29
2589人が本棚に入れています
本棚に追加
/189ページ
「ま、幻ケーキをご馳走します!!」 次は避けられないと悟ったようで、腹黒が叫んだ。 オレにはデザートで釣るのが一番いいと思っているのか…… その通りだよ。 さっき俺様がプリン10個(最高級)を奢ると言っていたから、それより下の価値のものならオレの攻撃は続いていただろう。 だが、実際にはオレの動きは止まっている。 その理由は…幻ケーキだったから。 幻ケーキとは… 正式名称、お茶目なシェフの☆はちゃめちゃドッキリケーキ~幻風~ のことである。 半年に一回だけ食堂のメニューに現れるとされていて、スイーツ好きなら1度は食べてみたい代物だ。 どんな見た目かも想像ができず、オレも食堂に行く度にチェックしてはいるが、無駄な行為に終わっている。 そんなケーキを…腹黒が…!? 信じられない… 「くーちゃん、こんな状況だからって嘘はよくないよぉ~?」 「本当です。 私の机の真ん中の引き出しを開けてください。 奥に鍵の掛かった箱があるはずです」 ハサミを置き、腹黒に言われた通りにしてみる。 すると確かに4ケタの暗証番号を入力する鍵の掛かった箱が見つかった。 それを腹黒に見せると、腹黒は追加指示を出してきた。 「その箱の暗証番号は遊の誕生日です。どうぞ開けてください」 ……なんでオレの誕生日なんだよ… 勝手に使うなよな… 呆れながら箱を開けると、中から1枚のカードが出てきた。
/189ページ

最初のコメントを投稿しよう!