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「ま、幻ケーキをご馳走します!!」
次は避けられないと悟ったようで、腹黒が叫んだ。
オレにはデザートで釣るのが一番いいと思っているのか……
その通りだよ。
さっき俺様がプリン10個(最高級)を奢ると言っていたから、それより下の価値のものならオレの攻撃は続いていただろう。
だが、実際にはオレの動きは止まっている。
その理由は…幻ケーキだったから。
幻ケーキとは…
正式名称、お茶目なシェフの☆はちゃめちゃドッキリケーキ~幻風~
のことである。
半年に一回だけ食堂のメニューに現れるとされていて、スイーツ好きなら1度は食べてみたい代物だ。
どんな見た目かも想像ができず、オレも食堂に行く度にチェックしてはいるが、無駄な行為に終わっている。
そんなケーキを…腹黒が…!?
信じられない…
「くーちゃん、こんな状況だからって嘘はよくないよぉ~?」
「本当です。
私の机の真ん中の引き出しを開けてください。
奥に鍵の掛かった箱があるはずです」
ハサミを置き、腹黒に言われた通りにしてみる。
すると確かに4ケタの暗証番号を入力する鍵の掛かった箱が見つかった。
それを腹黒に見せると、腹黒は追加指示を出してきた。
「その箱の暗証番号は遊の誕生日です。どうぞ開けてください」
……なんでオレの誕生日なんだよ…
勝手に使うなよな…
呆れながら箱を開けると、中から1枚のカードが出てきた。
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