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カードには
"幻ケーキ引き換え"
と書いてあった。
「そのカードを食堂で使えば、幻ケーキを食べることができますよ」
自慢気に腹黒が話す。
オレはまさかの幻ケーキが食べれるという現実にテンションが上がりまくっていた。
「そのカードをあげますから…
許して下さいませんか?」
「もちろんいいよぉ~♪」
腹黒の問いに即答するオレ。
え、だって幻ケーキが食べれるんだぞ。
プリン舐められたくらいどうでもいいね。
いや~
それにしても、俺様だけじゃなくて腹黒も犯人だったとは…
複数犯だなんて考えもしてなかったよ…危なかったな…
でも今度こそこれで事件は終わりだろ。
腹黒のロープを外し解放して、ワンコのロープを外そうとする。
「遊、まだだよ」
そんなオレをまた理事長が止めた。
…何なんだよ…
まさかまだ犯人がいるなんて言わねぇよな…?
いやまさかな…?
そう思うオレとは裏腹に、理事長は映像を止めるどころかまた進め、今日の朝の風景になった。
「遊は真実を受け止めなければならない。
……それがどんな結末になったとしても…ね」
理事長は真剣な表情だ。
……真剣なとこ悪いんだけどさ…
何でプリン1個の犯人探すためにこんなにガチになってんだこのおっさん…
プリンで受け止められない真実なんてあるのか…?
これってそんなシリアスな問題だったっけ…?
自分がハサミまで使って怒りを露にしていたことなんて忘れ、徐々にどうでもよくなってきた遊であった…
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