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映像が再び映し出された。
双子とワンコが一緒に入ってくるところから始まり、真実に辿り着くのは早かった…
ものすごく早かった…
既に打ち合わせは終わっていたのだろう…
生徒会室に入るなり直行で冷蔵庫へ向かった3人。
食べる順番まで決まっていたとこを見ると、ジャンケンも済んでいたようだ。
その次の光景をオレは1番見たくなかった…
ワンコが…
オレの可愛かったはずのワンコが…!
見たこともないような嫌らしい笑顔でオレのプリンを貪っていた…
その後に雨、晴とプリンを食っていたが、まぁこっちは"やっぱりか"くらいの気持ちで見てた。
とにかく!
ワンコまでが犯人だったと言う現実が、オレの心を深く抉ったのだ…
こいつらは共犯。
つまり第三者を利用してのアリバイ工作をしていた。
双子2人だけなら両方犯人も考えられたが、誰があの可愛いワンコまでそんな汚い行為に手を貸していたと思うだろうか…
いや思わない(反語)
真実を知ってしまったオレは、3人の方を見た。
そしてハサミを持ち、複雑な心境のままワンコに向かって降り下ろそうとした…が、
「ごめ…な、い」
涙目で必死に"ごめんなさい"と訴えかけてくるワンコを見て、ワンコに攻撃することなんてできなかった…
「ごめ…さ、い…!」
そして2回目の"ごめんなさい"を聞いたとき、オレはワンコを抱き締めていた。
「いっちゃんは…
いっちゃんは悪くないよぉ…!」
「ちが…オレ、わる」
「悪くない…っ!悪くないからぁ…っ!!
もういいよぉ…っ!!」
「許し…くれ、るの…?」
「うん…!
いっちゃんなら許すよぉ…!」
「あ…がと…っ!」
こうしてオレとワンコは感動的な仲直り(?)を果たしたのであった。
((遊ってさー書記にだけ甘いよねー))
((だよねー書記ずるーい))
((僕達も涙目で訴えてみる?))
((…ハサミで刺されるのがオチじゃない…?))
((…だね…))
((うん…))
双子が心の中でこんなことを考えていたなんて知らない。
そしてワンコが心の中で、
((くく…っ!やっぱ可愛いわ遊。
ちょーと演技したら引っ掛かっちゃって…
抱きついてきたときとかロープ無かったら押し倒してるぜ?))
とか考えていたことも知らない。
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