第1章

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顔を見合わせ同時に一言。 「いくか」 「いこうか」 二人は顔を引き締め闘技場に向かった。 道中には参加者であろう人たちがいて、みんな真剣な顔をしていた。 闘技場には、もう人が集まっていた。 どうやら俺たちが最後のようだ。 「やっと、参加者が全員揃いましたね」 あの男がそこにいた。 叶が空の顔を見ると空は男を睨んでいた。 「どうした?」 叶が聞くと空は焦ったようなそぶりをした。 「あ、いや・・・なんでもない」 そう言うと空はいつもの空に戻った。 「ではでは、今回の参加人数を発表いたします」 見ればわかる。人数は最初の集まった時と比べ格段に減っていた。 「10チーム、計20人の参加となります」 「抽選はランダムで決定いたします。選手の観戦は原則禁止とさせていただきます」 「こちらがトーナメント表になります。一回戦目参加者はこの場に残り、他の選手は一回退場してください」 スクリーンに映し出されたトーナメント表を見て自分たちは2回戦目と確認する 「俺たちは二試合目か・・・一回ここを出よう」 「うん」 二人は待合室にいき試合終わるまで待機していた。 「とうとうこの日がきたな・・・絶対勝とうぜ」 真剣な顔をして叶は言った。 「・・・うん。勝って願いを叶えてもらうんだ」 すぐに対戦の順番は回ってきた。 「次は、あなたたちの番ですよ」 男は不吉な笑みを浮かべながら言ってきた。 「あぁ、わかってる。行こうか空」 「うん」 二人は気を引き締めて会場に向かった。 そこにはもう対戦相手が待っていた。 相手も男二人、容姿がそっくりで兄弟であることがすぐにわかった。 「よろしゅうお願いしますわ」 相手二人は揃って言った。 能力はわからないがただならぬ空気が漂っていた。 「あぁ、よろしく」 「よろしく」 叶斗と空も挨拶をする。すると相手は少し挑発をしてきた。 「君たちじゃ、僕たちには勝てないよ?。まあせいぜい楽しませてや」 すかさず叶も言い返す。 「うるせぇよ。それはこっちのセリフだ」 空も相手を睨んで一言。 「潰す」 空がこんな言葉を口にするとは予想をしてなかった叶は少し驚いていた。しかし、その言葉からは本気で、という決意が感じられた。 あの男の合図で試合は開始することになっていた。 「さっさと始めようぜ」 叶が口にする。
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