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「どうやら思い当たる節があるようですね。そうです。あなた方には生前他の人々にはない能力があったのです」
周りがざわつく中男は話しを続ける。
「ここにきた理由は一つではありません。もう一つ理由があります」
「それは、死ぬ間際強く何かを願ったはずです」
何かを願った・・・?叶は思い出す。
そうだ、俺は凛をどうしても助けたくて・・・それで・・・
叶が言った。
「ここにきたらその願いが叶うとでも言うのか?」
男が答える。
「そうです、しかしそれには条件があります」
男がそう答えると叶斗がまた疑問を投げかける。
「その条件ってのはなんだ?まさかこの闘技場が関係あるのか?」
男が言う。
「いちいち質問が多いですね、今からすべてお話ししますので黙っていてください」
その言葉を聞いて叶は黙る。
「正直に言いましょう、願いを叶えられるのはこの中の一組だけです。願いを叶える条件はただ一つこのコロシアムで戦い勝利すること。それだけです」
「もちろんコロシアムに参加するかしないかはあなた方の自由です。しかし、出場しなかった場合は強制的に死の世界へ行ってもらうことになります」
やじが飛ぶ。
「ふざけるな!死の世界だと!?」
男が怒鳴る。
「当たり前だ!!お前らはもう死んでいる存在。当たり前のことだ!!!」
先ほどまでとは違う形相で男はこう言ったがすぐにまた先ほどまでの男に戻る。
「死の世界は天と地が存在するのは知っていますね?このコロシアムに出なかった者は天の方に行ける。出るものはコロシアムに出て勝利する。ですが。。」
「ですが。。。なんだ?」
叶が男に問いかける。
「ですが、このコロシアムに負けたものは地の方に行ってもらいます。それが条件です」
そう答えると男は笑みを浮かべながら消えていった。
そのとき闘技場にいる者たちに紙が配られた。
そこにはこう記してあった。
「・コロシアムに参加するかしないかは自由。
・二人一組のペアを作って参戦すること。
・もしペアがいない場合は参加者からランダムでペアが決定する。
ペアが決定しているときは、紙を重ねて投函する。
・参加する者は町の至る場所に設置してあるポストにこの紙を投函する。
・参加しない者はこの場に残る。
・参加する者はこれから2日間対戦の準備期間が設けられる」
叶と空は少し話し合った。
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