第1章

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「俺はこのコロシアムに出て願いを叶える。空、お前はどうする?」 叶は空にこう問いかけると空は少し間をあけて答えた。 「・・・僕は何を願ったのかも思い出せないんだ・・・でもまだ死にたくない。」 空はこう言い黙る。 「じゃあ出るんだな!?一緒に頑張ろうぜ!」 叶が空に言った。空は少し表情を明るくしてこういった。 「・・・おう!」 しかし、このとき空は少し違和感を感じていた。 _________________________________________________________________________ _________________________________________________________________________ 二人は参加する為に闘技場の外に出る。 ポストは闘技場目の前に設置されていた。 早速二人はコロシアムに参加するための紙をポストに投函した。 その瞬間・・・ 「っくあ・・あぁっ・・」 (あの時と同じ痛みだ・・・くそ、意識が遠のいていく・・・) 叶は地面に膝をつけそのまま倒れこんだ。 「どうした叶斗!叶!」 空は懸命に叶の名前を叫ぶが叶から反応は全く無い。 大粒の雨が降ってきた。 このままじゃ、叶が危ないと思った空は辺りを見回し休める場所を探した。 今は使われていないであろう民家があったのでそこに叶を運び、ベットに寝かした。 よし、これで何とか雨はしのげる。そう空は思い一息つこうと椅子に座る。 「いい加減、全てを思い出してはどうですか?」 空はその声を聞いてすぐあの男だと気づいた。 窓の外を見てみるとそこに男の姿はあった。 「一体何のことだ!なぜ僕が記憶が無いことを知っている!?僕について何か知ってるのか!?」 これまでにない表情をした空が問う。 「もちろんあなたのことは知っています。おっと、これ以上お話しすると楽しみが無くなってしまいますね」 にたにた笑いながら男は空の問いに答えた。 「ふざけるな!全て教えろ!」 「全ては、コロシアムが始まればわかります。」 男はそう告げると姿を消した。 「一体僕はなんなんだ・・・」 謎は解けないまま空は眠りについた。              * 次の日、叶は目を覚ました。 「俺は何を…昨日紙をポストに投函してそれから…」 ドアが開く音がした。 「昨日は気を失って倒れちゃったんだよ。それからここを見つけて運んできたんだ」 空が昨日あった出来事を簡単に叶斗に伝える。
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