第1章

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「ごめんごめん。安心しろ!俺はプレッシャーにやられるほどやわじゃない」 「そうか・・・そうだよな!」 ___________________________________________________________ 二人は笑っていた・・・明日何が起きるかも知らずに・・・。 ___________________________________________________________ 「体が思うように動かない以上今日は何もできん。明日に備えてしっかりと休息をとろう」 「そうだね、それが賢明な判断だよ」 二人は意見が一致してることを確認しその場で雑談をする。 「思えば俺らってまだ会ってから三日しか経ってないんだな・・・ずっと一緒にいた気分だったよ」 「僕もそう思うよ。でも、こんなことになるなんて思ってもみなかった」 空はそう言った。 「実際俺たちはもう生きてはいない・・・でもまだ死んでもいないみたいだし。このコロシアムに勝てば願いも叶えられる!まあ頑張ろうぜ!参加した以上もう後下がりはできない」 「まだ僕たちには生きるチャンスがあるんだもんね・・・!絶対トップになって前の世界に帰る!それまでに記憶が戻ればいいけど・・・」 空は少し暗い表情をしてうつむいていた。 「大丈夫さ!きっとお前の記憶は戻る!そんな暗い顔すんなって!」 「・・・うん」 「もう夜か・・・明日に備えて家に帰ろう」 「そうしよう」 すると二人は立ち上がって家に向かって歩いた。 辺りはもう真っ暗で月明かりを頼りに歩いていた。 「そういえば、他の参加者って何をしているんだろ・・・?」 空がふと口にだした。 確かに闘技場を出てから人に会っていない。それとも参加者が俺たちだけなのか・・・? 叶は心の中で考えていた。 「まあ明日になればわかるさ!もし俺たちだけだったらラッキーだな!」 「そうだよね・・・明日で全てが終わるんだ」 話しているうちに家に着いた。 「よし、完璧に疲れをとって明日は全力でやろう!」 叶はそういうと寝てしまった。 「寝るの早いなぁ・・・」 ちょっと呆れ顔をした空がボソッと言う。 空は少し考え事をしていた。 (僕は一体何を願ってここにきたのだろう・・・本当の僕は一体なんなんだ・・・) (それになぜあの男は僕のことを知っているんだ・・・) 「まあ、考えてもしょうがないか。明日になればわかるって言ってたからな」 「僕も寝よう」 二人は眠りについた。           * 鳥の鳴き声とともに二人は目を覚ました。
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