56人が本棚に入れています
本棚に追加
/38ページ
どんな時代の
どこの国だかよく分からない。
ただここは
溢れるほどの黄金と
目に余る退廃に満ちていた――。
「ずいぶん頑張ったが頑固なおまえと同じで――こっちの方も」
「ンッ……アァッ……」
「――いまだに俺を受け入れるほど、ほぐれやしない」
「ハァ……ハァ……」
情けなくも僕は
指先だけで翻弄され
息切れする。
「ま、それも致し方ないだろう」
物分かりのいいもの言い――。
だけど裏を返せば
「おまえはあいつと違って――まだ男を受け入れる悦びを知らないんだからな?そうだろ、ケイ?」
僕をいたぶるいい口実。
最初のコメントを投稿しよう!