56人が本棚に入れています
本棚に追加
「他の愛妾がみな嫉妬で狂うほど
俺がおまえを――格別に可愛がっているのは」
「……身に余る幸せでございます」
これで愛されていると言うのなら
この人の愛は完全に倒錯している。
「なぜだ、ケイ?」
「なぜ……?」
頑なな僕の身体を諦めたのか
王はガウンの裾を翻し
ベッドから降りると――。
「気高い騎士であったおまえが
なぜ何もできぬ女のように俺の妾に甘んじる?」
葡萄酒のボトルを手に
部屋をふらふらし始める。
最初のコメントを投稿しよう!