第1章

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試合前にもかかわらず、俺はスマホをいじっていた。 『夕飯作っておいたから。今日、帰ってきてね。 大事な話があるから。』 画面にうつる文字を見つめる。 「お前まだいかねーの?先行くからな」 「ああ」 …基本、チームメイトは干渉しない。 ただ、皆勝たなければならないという固定観念に囚われ、干渉するということをくだらないことだとしている。 「村井!ボケっとしてんな!」 「あ、はい!」 キャプテンの長瀬さんに呼ばれ、コートに駆け出した。 みんなコートでリフティングやキックをして、トレーニングをしている。 今日の対戦相手は東京の「アース」。 俺らの一つ上の順位。 まわりを見渡せば相変わらずガラガラの観客席。 そんな中、1人の女が目にとまった。 10人程度しかいないサポーター席の近くに座っている。
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