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春休みに入ってから3日が過ぎ、無気力のままアルバイトを淡々とこなした後、フラフラと街の中を歩いていた。 いつもは家に帰ってゲームをするのに、今日はそんな気分になれなかった。 どのぐらい歩いたのか、自分がどこにいるのかが分からないほど、何も考えず歩いていると何処かの路地裏にたどり着いていた。 辺りを見渡してみても見覚えのない道。 自分が過ごしてきた街なのに、分からない道があるとは思わなかった。 そんなことを考えながら歩いていく。遅い時間でもないのに人通りはなく、ちょっと気味の悪い所。 目的も無く、ただ歩いていた俺を怒りたくなってくる。 (少しは、後のことを考えて歩きやがれってのな) 自分の起こした行動のせいなので、何かに八つ当たりする事さえできないんだけどな。 仕方なしにスマホを取り出し、地図アプリを立ち上げようとしたところで、珍しいことに圏外になっていることに気がつく。 この街は、都会と言うほど都会ではないが田舎ではない。 そんな街のなかにいるのに圏外?地下やエレベーターの中でもないのに? だが、森の中で遭難したのではないし、適当に歩けば大通りに出れる。そうすれば大体の場所はわかるだろう。 「いやっ!離してよ!」 自分の考えを纏めて歩き出そうとしたとき、後ろから女性の声が聞こえてきた。 結構近く ・・・・・・と言うか真後ろから聞こえたので、びっくりして振り返ってみたが誰もいない。 (幻聴?・・・・・・最近、ゲームのやりすぎだな) 辺りを見渡しても誰もいない。ま、さっきも確認したんだから当然といえば当然なんだけど。 あまりにもはっきり聞こえていたから、不気味をとおりこして精神的な意味で不安になる。 ・・・・・・近いうちに病院にいくか。 ため息を吐きながら、歩き出すと今度はノイズのような音と立ち眩みのような感覚が起こった。
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