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その状態が続いたのは2、3秒程。
「 ・・・・・・なんだったんだ?いまの?」
そう呟いて目を開けると、木々が続いていた。
「 ・・・・・・・・・・・・は?」
さっきまでいた路地裏の景色が、いきなり森になっていた。
ちょっと待て。話がついていけない。いやいや、その前にこれは幻覚? ・・・・・・いや、夢?
なんでいきなり森になってるんだよ?あり得ないだろ? ・・・・・・夢なら有りか。
そもそも、俺は寝た記憶がないぞ?さっきのノイズみたいなので寝たのか? 数秒だから気絶か?
「せっかく会えたんだから、俺たちが守ってやるって」
「必要ないのよっ!だから、手を離して!」
後ろからの声に驚いて振り返ると、男2人と女1人がもめていた。
この距離は”後ろと言うか真後ろ”って感じでびっくりして、一歩さがる。
夢だったら、もう少し配慮してほしい。こんなすぐ後ろにいたら、俺の前にいる男が数歩下がっただけでぶつかるじゃないか。
ん?夢にしては、ずいぶんと鮮明だ。髪の毛も1本1本まで見えている。
(痛みで夢かどうか確認してみるか)
在り来たりだけど、痛くなかったらこれは夢だってわかるしやってみよう。
「そんなことを言わずに、なっ?ここら辺は「よっと」まぼろっ?!」
目の前にいた男に回し蹴りがヒットして、大袈裟なぐらい飛んでいった。
「え?」
「な?」
うん、痛みがあるみたいだから夢じゃないや。
しかし夢じゃないなら、なおさら俺はヤバい状態まできているかもしれない。
これは幻覚ですまされるレベルじゃないからな。誰かに相談したら間違えなく入院させられるよ。
「て、テメェなにしてやがんだ?あぁ?!」
飛ばされなかった方の男が凄い剣幕で怒鳴ってきたので、やりすぎたかなと思いながら正直に答える。
「え?ちょっと夢かどうか確認したくて」
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