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「ふざけてんじゃねーぞ、テメェ!!」 相方がやられたからか、ただナンパの途中で邪魔されたのが気にさわったのか、彼からものすごい怒りが伝わってくる。 「いっぺん、殴らせろや!!」 思考を回転させて彼がどんな行動をするのかを考える。 ま、こんな状態の奴が最初にしてくるのは、胸ぐらを掴んでのストレートって相場が決まってるけど。 男が左手で俺の服を鷲掴みにして、逆の手を後ろへと大きく振りかぶった。 「おらぁ!」 大体は予想通りになったので、俺は慌てる事もなく、相手の胸元の服を軽く掴んでタイミングを合わせる。 相手の殴ろうとする勢いを殺さない様に、自分の身体を半回転させて、自分の腰に乗せるように相手の腰を軽く浮かせた。 「うああぁあああぁぁあ!!?!」 後は相手の身体を地面に叩きつけるように、引っ張ってやると簡単に背負い投げができる。 「ぐべらっ?!」と声なのか骨が折れた音なのかわからないけど、そんな声とともに男は気絶してしまった。 最近は短気な奴らが多くなってきてるから、俺も喧嘩慣れしてきたおかげで出来ちゃったけど・・・・・・やりすぎたかな? さっきまで絡まれていた彼女も唖然としたまま固まってるし、俺はどうしたらいいのか分からない。 とりあえず目の前の彼女に声をかけてみるか。 「えーーと、あの、大丈夫でしたか?」 「・・・・・・・・・・・・」 声をかけてみたところ、無言を頂きました。表情すら変わらない無反応です。 「もしもーし、聞こえてますか?ナメッ○語は理解できますか?」 冗談を言いながら顔の前で手を振ってみると、彼女は俯いてしまい、ようく見ると少し肩を震わせてた。 「?どうしまあらぼっ?!」 顔を近づけようとした次の瞬間、景色が横に流れた。 何が起きたのか分からなかった俺は、頬への痛みを感じながら彼女の方に顔を戻すと・・・・・・。 「誰が助けてっていったのよ!」 そこには憤った彼女の顔があった。
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