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「いいや。そろそろ――フィニッシュだ」
欲望のままに見えて
本当のところこの人は
絶妙なタイミングで
流れを見ている。
「一度きりでおまえを壊したりするものか」
そして
見たことのない甘い顔。
「愛してる――ケイ」
ああ
やみつきになったら
どうしてくれるんだ?
僕の気も知らないで――。
支配者は真顔で囁く。
「来世――たとえおまえと敵同士となろうとも」
アイシテル――と。
「ンアッ……アッ……!征……司」
堪えきれず僕は
果てる瞬間その名を呼んだ。
同時に――手首の赤いリボンを
しっかりと握っていた。
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