第6話

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「せんぱ~い、今日は残業ですかぁ?」 「うん、だね……真由ちゃんは上がっていいよ」 「……え?でも……」 とチラリと佑の方を見て、小さな声で 「上條さんまだ残ってるし、私も残ります!何か仕事下さい!」 チャランポランに見えるのに、先輩思いの可愛い奴め! 私は真由ちゃんの頭を撫で撫でし、 「ありがとう、でもまだ課長も主任もいるし、綾瀬さんは20時まで帰れないって言ってたから大丈夫だよ それに……佑だよ…?仮にもつい何日か前まで元カレだった人だよ? 大丈夫、別にどうにもならないよ アハハ……私の方が意識し過ぎちゃってるのかな?」 そう言う私に真由ちゃんは 「せんぱい、甘いです!上條さん絶対復縁狙ってますって!イメチェンして益々綺麗で色っぽくなったせんぱいを見て、早く取り戻さないと他の奴にかっ拐われるって思って焦ってるんですよ! 私、さっき見ちゃったんです。課長とせんぱいがくっついてイチャイチャしながらデザイン画見てるときの上條さんの目!凄い目付きで課長の事睨んでました!あの目付きなら人も殺れますよ! 全く、自分は浮気していい思いしといて、その上せんぱいの身体も渡さないってズルいですよ!」 鼻息荒く怒る真由ちゃんたが、言ってる内容にボチボチ突っ込みたくなる…… 課長とくっついてイチャイチャとか、私の身体は渡さない?とか…… 佑は私の身体だけが目当てだったのか? 確かにたくさん求められたよ、時には日に何度も求められたりしたけど、ちゃんと心も繋がっていたと思うのだが……? まぁ、真由ちゃんの感覚は一般常識の枠を越えてる時があるからね でもそういう感性って、デザインするには向いてると思うよ ……なんて、心の中でひとり冷静に考えていたら 「あ、せんぱ~い、さっきの頭撫で撫でするの、もう一回やって下さ~い」 と、私の腕に絡み付いてスリスリしてきた はぁ……手がやける・・・ でも、可愛いから許す!
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