第6話

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          「ちょ、ちょっと佑、待ってってば!」 ブンっと掴まれた手を振り払おうとするが、ガッチリ掴まれていて振りほどけない 「佑、痛いよ……」 なんだか私の知ってる佑じゃなくて、全然知らない人みたいで怖くなりその場に立ち止まる 両足を踏ん張って頑張っている私を見て 「蒼空……ごめんね 手……痛かった?」少し赤くなっている私の手首を手で撫でて擦ってくれる 私は手をパッと引っ込めて後ろに隠し、キッと佑を睨んだ 「蒼空……ごめんって…… そんな目で見ないでよ」 「どうして……」 「ん?なに……?」 「どうしてあんな事したの……!?」 「あんな事って?……あ、さっきの事? あれならもう我慢の限界だったんだ 親睦会を兼ねて仕事の話をしようっていうから仕方なく付いていったら、すげー尻軽そうな女がいて、聞いてもないのに、ベラベラベラベラと自分の話ばっかりしやがって、化粧は濃いし香水臭いしやたらと露出してるし、もうムカついてムカついてよくあそこまで我慢してたと我ながら思うよ……今もまだムカついてる!」 さっきの事を思い出してはイライラを隠さずにいる佑に 「でもね、佑……あんな酷い言い方したら陰で何を言われるかわからないよ 女子を敵に回すと怖いよ、特にあの人達って総務と経理でしょ? 仕事やりにくくならなきゃいいけど……」 (あの人達社内で合コン三姉妹って呼ばれていてありとあらゆるツテを使いイケメン達を食い散らかしてるって噂の3人だよ……間違いなく佑狙いだったに違いない やだな……私、あの人達から恨み買っちゃうのかな?) 考えたらうんざりしてきた そういうところが女の嫌なところだ?。 ハァ・・・・・
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