第6話

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なんとなくこのままじゃいけない気がして、気付いたら佑の手を持って駅の構内にあるコーヒーショップに向かっていた 「え?蒼空……どうしたの? 俺の事ならほっといていいんだよ!」 と言う佑に 「いいから!喉乾いたからお茶しよう」 そう言って引っ張って行く 「いらっしゃいませ~」 アルバイトなのか高校生くらいの女の子が店に入ってきた私達を見て一瞬驚いた顔をした それもそうだろう…… 私に手首を掴まれ、引っ張られ、まるで無理矢理連れてこられたかの様に見えるのだろう しかも、佑は今にも泣きそうな顔をしているし…… 私に脅され怖がっている様に見えているのかもしれない おまけに佑がイケメンときたもんだから、店内のお客さんまでもがジロジロ見ている こういうときのイケメンが醸し出すフェロモンの破壊力は半端ではないのだろう (きっと私は今店内の女子から避難の目を浴びているだろう…… あの女、何!?ってな扱いだろうよ…… まぁ、いいけどね。) とりあえずコーヒーをふたつ頼んで席へ着く さて、これからどうしよう……? 勢いでここまで連れてきてしまったが、何をどう話せばいいのだろう……? 自分の無計画さにうんざりしていると 「蒼空、ごめん……怒ってるよね……?」 「……別に怒ってる訳じゃないよ、どうしたらいいのかわからないだけ 佑とは、ちゃんと話し合って納得して決めた事だと思ってたのに、そうじゃなかったのかな?って…… 私だけ勝手に納得して、佑を傷つけてたの? 正直、今日の佑の行動は私には理解できない…… あんなことされたら……本当に困るよ……」 私は握りしめた自分の両手を見つめながら話した……
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