第6話

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お互い黙ったまま暫く沈黙が続く…… 注文したコーヒーもすっかり冷めてしまった頃、佑が重い口を開いた 「嫌な思いさせてごめん…… 俺、まだ蒼空の事好きだよ、嫌いになんかなれないし、なるつもりもない 別れてしまった事は俺なりに納得したつもりだった、なんせ自分で撒いた種だから罰を受けて当然なんだよ…… だから、蒼空にもう一度俺を好きになってもらう努力をしようって思ってた 今日だって、本当に仕事頑張ろうって意気込んで行ったんだよ でも蒼空を見た時に何もかも吹き飛ぶくらい動揺してた…… 数日会わなかっただけなのに、急に蒼空が遠い所へ行っちゃったような気がしたんだ そしたら俺と別れて誰の為に綺麗になったのか、誰に見てもらう為に雰囲気を変えたのかって思って、気付いたらあんな事してた 悔しかったんだ…… 蒼空が俺じゃない男を好きなのかもしれないって思ったら…… 本当にごめん 別れた相手にこんな風に想われるのって、気持ち悪いよな 明日からは気を付ける……ってか、明日からは外回り着いていくからほとんど社内にいないよ だから安心していいよ……」 佑は窓の外を見ながら寂しそうに笑ってそう言った 「…………」 何て言えばいいのかわからない…… 佑にそんな事を言わせたかった訳じゃない あんなに好きだった佑だけど、どうしてもあの出来事をなかった事には出来ない いくら時間が経ってもこの気持ちは変わらないだろう だからちゃんと言わなきゃ 佑だって前に進んでもらいたい 今回の研修だって、期待されてる証拠だ これからの三星堂を背負っていく役割を与えられてるからこその大事なこの機会を無駄にしないで欲しい 私に今出来ることは…… 佑が答えを望むなら、何度でも自分の気持ちを伝え続ける事……
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