第6話

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「先輩、お昼行きましょう」 真由ちゃんに肩を叩かれパソコンから目を離す 疲れた…… 余計な事は考えないよう、目先の事だけに集中していたせいで、いつもの倍以上に疲れてしまった 目頭を押さえ、ガチガチに凝った首を回すと真由ちゃんが小さい手で肩を揉んでくれた 見かけによらず握力の強い彼女は自分も肩凝りが酷いらしく、ピンポイントでツボを見付け揉んでくれるので、すごーく気持ちがいい お金払うから全身ゆっくり時間をかけて揉んで欲しいくらいだ いつだかそれを真由ちゃんに言ったら 「いいですよ。先輩の全身を揉めるならお金なんていりません!むしろ私が払うから揉ませて欲しいです 1日かけてたっぷり何度も何度も丁寧に隅々まで前も後ろも意識が飛ぶくらい気持ち良くさせてあげますよ」 と、何やら危険な発言をしたのでそれ以来口が避けても言わないようにしている 今も肩を揉んでいる手が肩甲骨のツボを刺激し、時折ブラのフォックを指でなぞっている 「気持ちいいですかぁ?」 私の顔を覗き込んでニコッと笑って訊ねる真由ちゃんに 「うん、気持ちいいよ!ありがとうね お昼行こうか」と、言って席を立った 「華子さんは?」と聞くと 「今日は午後から半休らしいですよ」 「そうなんだ~珍しいね」 滅多に休まない華子さんが半休なんてよっぽどの用事があるんだろう…… 財布とスマホを手に持ち真由ちゃんとオフィスを出て、どこ行こうか~?なんて話しながらエレベーターを待っていると 「お昼どこ行くの?」と後ろから声をかけられてビクッとなる 振り向かなくてもその声が誰のものだかわかってしまう…… 私は振り向けずに黙って持ってた財布とスマホをギュッと握りしめた
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