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「――――?」
再び誠司のそばに行った時、表情が変わった。何を見ているのかと思い視線の先に目をやれば――。
「?――やばっ。帰るぞ!」
「新台は、って。ダメだよなぁ~…」
「わかってるなら来いっ!」
なかなか動かない誠司の手を引き、プリクラコーナー近くへ移動した。
「――やっぱ、今日は見回るよなぁ~普通」
台に隠れながら覗き見ると、そこには生活指導の先生が。
……見つかったらヤバいな。
先生の動きに注意しながら、ゆっくり階段の方へ歩く。この瞬間はドキドキものだ。なんせたまに、上で先生が待ち構えている時があるんだから。
「――よし。行くぞ」
周りを見渡し、先生がいないのを確認してゲーセンを出る。
他に行く所もないので、店に入るか? と聞くと、何かにとり憑かれたように、
「はぁ~新台……入ったその日に、やりたかった。――――あぁ~新台っ!!」
と、嘆いてた。
冬休みダメにしてまでか? とツッコミを入れたが、本人には全く聞こえていない。
……重症だなこりゃ。
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