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この惑星でこれほどの雨量を観測したことはかつてなかった。もっとも、鉱山の開発が惑星上の各地で行われるようになってから十年とたっていない。そんな大雨の観測がなかったとしても不思議ではない。
やっと本道への分岐点にさしかかった。明るく光る出口が小さく見えていた。
なんとか脱出できそうである。出口に向かって進みだした。
ところがそのとき、鉄砲水が襲いかかってきた。これまでの水流とは比較にならないほどの大量の濁流が坑道へ流れ込んできた。
すでに本道へと出ていたから、逃げ場がどこにもない。
耐えられたのは、ほんの一瞬だった。
調査員は水の勢いに負けて坑道の奥へと流されていった。
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