〈5〉

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「だいじょうぶですか?」  とロボットが言った。  その声で調査員は、気がついた。  周囲を見回した。 「どうなったんだ?」  そこは部屋の中だった。明かりはロボットのライトだけで、周囲のすべてを照らしていたわけではなかったが、そこが部屋であることはわかった。 「退避用の小部屋です。そこへ避難しました」 「そうだったのか……」  調査員は、救かったとわかってホッとしたが、全身ずぶ濡れで衣服はすっかり水を吸っており、気持ち悪くてしかたがない。いつまでもここにこのままいたくはなかった。 「ここは安全なのか?」  その点が心配だった。この部屋が水没してしまうようなことはないのか。 「それは確証できません。さらに雨が降り続けば、水没するかもしれません。雨量の予測ができないので、なんとも申し上げられません」
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