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「では、脱出だ」
調査員は立ち上がろうとして、足首に鋭い痛みを覚えた。痛みに、思わずすわりこんでしまう。
「どうやらさっきのことで、負傷してしまったらしい……」
これでは水の流れに逆らいながら坑道を歩いていくことはむずかしい。だが、ロボットがいた。
「きみのパワーがあれば、なんとか濁流を遡って行けるだろう」
ロボットにすがりついて行けば、脱出は可能だ。
「それが、さっき流されたとき、わたしは予備電源を失ってしまいました。あなたを背負って濁流の中を進むほどのパワーは出せません」
ロボットは申し訳なさそうに言った。
「なんだと?」
ううむ、と調査員はうなった。なにか解決方法はないものか……。
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