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「ああ、そうだったな……。気象観測衛星からの情報からだと、天気がくずれると聞いていたからな。だが雨ごときで調査を中止するわけにもいかない」 「かなりの雨量です」 「じきにやむだろう。それより調査を続けよう。まだなんの成果もあげていないんだ。なにか見つけないとな」  調査を続行した。  だが、外の大雨は、調査員の予想を遙かに超えていた。  坑道は奥にゆくに従ってどんどん地下へとおりていた。水が流れ込まないような仕組みが鉱山には設置されていたが、すでに閉山した鉱山の設備はその機能を失っていた。  坑道へ流れ込んできた雨水が、足下にも流れてきた。  それは最初、小さな水流であったが、ほんの数分でその量は増え、気づいたときにはせせらぎのようになっていた。 「まずいな……。いったん引き上げるか」  調査員は言うと、ロボットとともに坑道を引き返し始めた。
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