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これまで戦ってきた、リーダーが〝敵〟と称する相手も、政府軍なんかではなく、この地域での縄張り争いをしている他の武装グループだった。
「では、任せたぞ」
と、リーダーは笑顔を見せた。中古とはいえ高性能のロボットを手に入れられ、それがどんな活躍を見せてくれるのかが楽しみで仕方なかった。
「承知しました」
無表情な顔を向け、感情のない声でこたえたロボットは、ぎらつく太陽を薄汚れたメタリックボディに反射させながら、丘の向こうへと歩きだした。
その後ろ姿を見送るリーダーと、その部下たち。
「しかし、たった一体のロボットで、どこまでのことができるやら……」
リーダーの腹心である、ずる賢そうなナンバー2が、ささやくように言った。
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