第1章

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「真矢、おはよう!」 「………」 「今日はいつもより暑くね?」 「………」 「だよなー。先生ハゲてるし!」 朝から元気な友人、高良 大樹は、テンションが高すぎて変人認定されている…わけではなく、いつもこんな感じだ。 まぁ、はた目からはいじめられている様に見えるらしいけれど。 これでも、最近はこの友人から誕生日にもらった、小さなホワイトボードで会話(?)しているので、勘違いする人は減った。 「今日はいくの?」 『場所』 「決まってんじゃん!!RVの集会」 『嫌』 「何でだよー。お前がいないと、俺は悲しいゾ」 『知らん。きもい』 見るからに肩を落とす友人を見て、それでも行かないと答えると、しょうがないと話題を変えてくれた。 ……俺、結城 真矢は、昔のトラウマのせいで人前で声がでなくなった。 常時着用のマスクは、風邪ではなくて話せない事を告げている。
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