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「誰?」
気がつくと目の前で、あの歌の声…と似た声を聞いて顔をあげる。
長めの前髪をピンでとめた姿は、整った顔で中性的で…一瞬女の子だと思ってしまった。
同じ性別の男子だと確信したのは、手をつかむ力が強いからだ。
「聞いてんの?」
ホワイトボードを取り出そうと、あいていた右手を後ろに回して気がつく。
(ホワイトボード、教室に置いてきた…)
ずっと不審者を見ているかのような相手に、あわてて顔をたてにふる。
「話、聞いてないでしょ。誰ってきいてるんだけど」
どうやって説明しようかと考えて、右手で制服のネームプレートを指した。
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