第1章

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「誰?」 気がつくと目の前で、あの歌の声…と似た声を聞いて顔をあげる。 長めの前髪をピンでとめた姿は、整った顔で中性的で…一瞬女の子だと思ってしまった。 同じ性別の男子だと確信したのは、手をつかむ力が強いからだ。 「聞いてんの?」 ホワイトボードを取り出そうと、あいていた右手を後ろに回して気がつく。 (ホワイトボード、教室に置いてきた…) ずっと不審者を見ているかのような相手に、あわてて顔をたてにふる。 「話、聞いてないでしょ。誰ってきいてるんだけど」 どうやって説明しようかと考えて、右手で制服のネームプレートを指した。
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