第1章

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体育祭が始まる。 音響調整とかやったことないが、ある程度が設定されているので俺はいわばノイズを出さないように調整するだけだ。 「校長が話した通りだ。会長として長ったらしい話をするつもりはない。全員、死力を尽くせっ!優勝した軍には我が用意した商品も出るぞ」 「「おぉぉぉぉぉぉーーー」」 五百人以上の雄叫びは鼓膜が破れんばかりの勢いがある。 男女問わず目がぎらつくが、ある意味で当然。 体育祭を盛り上げる、そのためにはやはり物しかない。 競わせるという意味では効果的だ。 大まかに説明すると全校生徒を東西南北にわけて総合優勝チームには会長が用意した賞金三百万、一人当たり約二万。 個人賞には学校側からの予算の大半をつぎ込んだ商品の数々。 つまり優勝がなくなってもいい成績をとればその都度賞品を得る機会が与えられる。 「会長もブルマにするべきだ。何故、水着なんだよ」 「いや水着の方が肌が出てる面積が多いから嬉しいんじゃないですか?」 「由夜、お前はなにもわかっちゃいない。ブルマってのは食い込みを直すときにこそ力を発揮するんだ。それに水着なんてこの前見たんだよ。あーあ、しゃばいしゃばい」 この人は何を言ってるんだ。 一樹さんらしいが、俺だってブルマはいいと思うが水着は水着でとても嫌らしいだろうが。 けど今の俺にはどうするべきかはよくわからない。 昨日の鞍馬さんの話では会長は霞沙羅と俺をなんとかくっつけたいらしい。 結局のところ彼女は自分でことを起こすより彼女の幸せを願った。 もし俺が断ればやっぱり殺すみたいだ。
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