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「おい、まさかユーコに気があるのか?」
「だから違いますって……ただ話があって呼びにきただけです」
後始末を行う二人に駆けより、先程のことを話そうと鞍馬さんに声をかけた。
想像以上に会長は俺に敵意を剥き出しで少し恐い。
「わかっていると思うがもしユーコに手を出したらお前の親族からお前まで全てに落とし前をつけさせる。我は金に物を言わせる、そういう人間でもある」
捨てぜりふをはくと、俺の太ももをギュッと抓り、俺はキャイン……なんて可愛らしい声をあげた。
最も鞍馬さんは俺になにか言うつもりはなく普通に従ってくれてついてきてくれた。
人混みがなくなり少し殺風景なグラウンドの隅に行くと突然、顔を赤らめた鞍馬さんが俺の手を握った。
「そ、その……あれですよね、麗子様の話しに従う代わりに私になにかさせる
つもりですよね?」
「………あの、俺はただ鞍馬さんに力を借りたくて……」
「わ、私はなにもできませんけど暴れたりしませんから優しくしてください」
どうにも悪い方向で考えているのか、瞳に涙がたまり始める。
というか、そういう風に見られている。
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