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「それじゃあ、行ってくる。」
「あぁ!気を付けて行ってくるのだぞ!」
さて、時刻は午前6時23分。
予定より早く家を出れている。
うん。焦らず行こう。
確か、まずは近くの駅から乗り継いで専用の地下鉄の駅に行くんだったか。
そこから生徒証を見せて特別車両に乗る。
……うん、大丈夫だ。
しかし、専用の鉄道もそうだが、申請すれば三年間の交通費が無料とは……いくら技術革新の好景気とはいえ、国税でここまでやっていいものなのか?
まぁ、ありがたく使わせてもらうけども。
そんな事を考えているうちに駅に着いた。
ピッとICカードを改札機にかざしてホームへ向かう。
……そういえば、武器を買うんだっけか。
電車に揺られてそんな事をふと思いつく。
魔法技術学生は、その国の正規軍に所属しているようなもので、他国の軍属の高等学校や、日本で言えば自衛隊の高等工科学校にあたる。
故に、学生でありながら兵士という名の国家公務員でもあるため額は本職に比べれば見劣りするが、高校生の身分には上等すぎる位の給与が貰える。
その話は置いといて……。
つまりそれら軍属の高校と同じく戦闘訓練があるのである。
故に武器(火器、刀剣類を問わない)の所持携帯が許される。
普通なら、その国の制式小銃なり拳銃が与えられるわけだが……。
魔法という戦闘技術の特性上、画一的な装備を与えるのは非効率であるという結論が出たため、扱う武器は個人が選択し、個人が運用するという方針になっている。
たとえば、「魔力を固めて飛ばす」という能力ならば足りない近接戦闘力を補う為に刀や槍を選ぶことすらある。
2046年の現代戦において白兵戦を行うことがあるのか?
その疑問は適切である。
……さてここで、俺の魔法特性の説明をしておこう。
「身体強化」である。
全身の筋力を強化して移動速度の底上げ、さらにその速度に身体が耐えうるように皮膚の表面も内部も硬化。
さらにその速度の中でも路面を判断するために脳の処理能力も強化。
まあつまり……
「銃弾を見切って避けながらありえない速度で敵に接近」
なんて芸当ができるのだ。
こんなのがゴロゴロいるので、魔法技術者同士の戦闘においては白兵戦にもつれ込む事がほとんどだ。
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