眠れない夜

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雨の音だけが静かなこの部屋に囁きかける 何か温かい飲み物をとキッチンへと向かう その時玄関でガタンという音が聞こえた ドキッとして慌てて電気を付ける 誰?と不安を打ち消すかのように大きな声で言葉を放った どうしよう 怖い 静かに音を立てず玄関へ向かう そうっと覗いてみると誰も居なかった 外? まだ明けきらない闇 扉を思いっきり開けた 何も居ない 何もない 気のせいかと胸を撫で下ろし 鍵をかけた 振り返ると 小さな女の子の小人が見上げている ぇ? 私は目を凝らした 私は夢を見てるの? 動けなかった 女の子はニコッと微笑むと寝室の方を指差した 私は何も考えられずにただ女の子の後ろを歩いていた 寝室に着くとフワッとベッドに飛び私を見てる 一緒に寝たいのかな ぼうっとしながら私も布団に入る 女の子に布団をかけると歌い始めた それは透き通った生まれたての風のような綺麗な歌声 私の心は満たされていた うっとりしながら瞳を閉じる 額にあたる冷たい風にふと目を覚ました 我に返り横を見る 女の子は居ない ただ小さなたんぽぽと小さな窓のカーテンが揺れていた
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