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*Necktie・5*
「まっじウケるー!真性のアホだ!アホがここにいる!」
涙を流しながら笑い転げる比呂を、蹴り飛ばしたい衝動に駆られても、誰も何も言えないだろ。
ヒーヒーと笑い、お腹を両手で抱えている比呂に、血管がブチ切れる。
「うっせぇよ!タコ!」
「腹痛い!マジで痛いって!よじれるって!死ぬ!」
「そのまま死んでろ!二度とこの世に帰ってくんなっ!」
昼休憩。
朝の出来事を、比呂に逐一報告すると、指を指されながら大笑いされた。
くっそ!言うんじゃなかった!
「あの人、従者よろしく、俺のネクタイ締めたんだぜ?あり得ねぇだろ、普通!プライドとかねぇのかよ」
「いや、どっちかって言うと、ネクタイ一つ締められない小学生を、お兄さんが締めてあげる図、だな」
「ネクタイ締められないでちゅー」とニヤけながらからかってくる比呂の頬を、両手で抓って引き伸ばしてやる。
「ほぉおろふふぁんふぁいれひゅー
【暴力反対でちゅー】」
「まだ言うか、このヤロー」
男として恥をかかせて、二度と小言を言わせない作戦だったのに、終わってみれば、俺の方が恥をかいた。
なんでだよ!納得いかねー!
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