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*Necktie・16*
告白した。
後は、答えを待つだけだ。
きっと、時間が掛かるだろう。
水原さんの事だから、きっと。
「ネクタイ、曲がってるぞ」
「………はい?」
朝の一コマ。
限りなく、いつもの朝と同じ光景だった。
っっっっってっ!!!!
じゃなくて!そうじゃなくてさ!?
いつもと同じすぎて、逆に違和感ハンパないんですけど?
俺、コクりましたよね?
あんたにコクりましたよね?
それも、昨日の朝。
え?
なに?
どういう事?
ドッキリですか?
ていうか、俺、ちゃんとネクタイ締めてますよね?
ちゃんと締めて来たはずなんですけどね?
いくつもの『?』が宙を舞い、思わず水原さんをガン見した。
「加勢くん?聞いているか?」
問い掛けられても、反応に困る。
いや、聞いてますよ?
聞いてるんですけどね?
あんたの方こそ、今の状況、分かってます?
「………えっ……と…曲がってます……か?」
この事態に頭も気持ちもついて行けなくて、まるでカタコトのような日本語を口にする。
「だから、そう言っている」
「あ……はい…」
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