嫉心

13/17
742人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
「奈緒は誰が欲しいの?」 そんなのとっくに 分かってるけど。 あの夜のように 潤んだ瞳で懇願して欲しくて。 「───ご…めっ…」 「違うだろ。 誰のがいいのかって聞いてんの」 言えよ奈緒。 あの夜みたいに俺を見て、 あの夜みたいにその唇で。 ───俺が欲しいって。 「謝罪とかいらねーから。 お前は誰が欲しいのか、 それだけ答えろ」 言葉を失った奈緒の瞳は ただ俺を見上げて 瞼に涙をためて行く。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!