2019/08/02 13:20 北海道 旧陸上自衛隊 東千歳演習場

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 僕は周りのみんなより体力が劣っている。入隊してすぐに分かった。最初の体育測定の時から他のみんなとは違いを感じていた。  運動が好きかと言われれば、好きではなかったが、中学の体育で足手まといになるほどではなかった。  それはただ僕が世間知らずの蛙だっただけだった。実際入隊してみて痛感した。僕に体力があったのではなく、みんな同じように体力がなかっただけだった。  僕がその場から立ち上がれるようになる頃には、伏見教官は僕から距離を取り、持っていたノートにメモを取っていた。 「気にするな」  俯く僕に羽柴が僕の肩を叩く。  教官チェックが入った事は間違いなさそうだった。 「大輔くんまずは自分のペースでやってみたら?」 「そうだ、まずは完走する事だけ考えろよ」  水島が泥だけになったままの銃をそっと手渡す。僕の在籍番号が書かれた銃を受け取ると、僕は教官の顔を伺った。
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