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「で決まった? 決まらないならさっさと行こうよ、休憩だって少なくなるんだし。山口が何とかなればいいんでしょ? とりあえずさ行動訓練でも一人いなくなったら一人当たりの荷物多くなるわけだし、やれるところまでいてくれていいんじゃない?」
銃を肩に担ぎながら、大内桐絵が揚々と笑う。
その後ろから睡蓮持茜と冬海舞が騒ぎを聞きつけやって来た。
「とりあえず行こう。次の課目まで時間がない」
それぞれが時計を見ると、羽柴に意見する者はいなかった。
僕は羽柴に促されるまま、再び走り出した。
2列に並び、かけ声を掛けながら走る。8名の訓練班。8名の仲間。
この仲間を裏切らないように僕は頑張らなければならない。せめて迷惑にならないように。
これが第1高等部教育連隊、第2基礎教育中隊、第5訓練班のメンバーである。
訓練場を抜けるまでの間、僕は伏見教官の姿を見ていた。
教官は何も言わなかった。まるで議事録でも付けるように、僕らの様子に口を出すことはなく、ただ近くで僕らのやりとり聞きながらノートにメモをとり続けていただけだった。
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